「ヴィランズの手下」よくわかるテキスト・アトモスフィア編

皆さん、こんにちは!

今回は、「ヴィランズの手下」のテキスト第2弾、アトモスフィア編です。

もともと、ヴィランズの手下は、シーを訪れているゲストに、ヴィランズの魅力を伝えることを目的に創造された化身の一団です。

手下たちがパークの各所で開催していたのが、アトモスフィア(以下、アトモスと略す)。ヴィランズの手下は、2015~2018年の4年連続で登場しましたが、アトモスの内容は、毎年マイナーチェンジされています。

ではアトモスについて、年度別に詳しく解説していきましょう。

 

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怪しい光に照らし出される、ミラコスタ通り。何も知らずにここを通り抜けた時点から、ゲストは、ヴィランズの手の上で、意のままに操られている・・・

 

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2015年は、アトモスとグリーティングの2本立て

 

2018年が初演のハロウィンのハーバーショー「ザ・ヴィランズワールド」

怪しくも気品に満ちたヴィランズ達が繰り広げるハロウィーンパーティは、様式美と迫力の演出で、ゲストの度肝を抜きました。

そして、ヴィランズの魅力を伝えるべく、シーに降臨したのが、「ヴィランズの手下たち」なのです。

2018年は、「ヴィランズハロウィーン・パーティ」という名称で、

●アメリカンウォーターフロントで開催されるアトモスショー「リクルーティング」/1日1回

●レストラン「セイリングディブッフェ」で手下のグリーティング/1日5回開催

注)セイリングディブッフェは、2018年3月31日をもって営業終了。現在はドッグサイドダイナーという軽食の店になっている。手下のグリーティングについては、後日、新たに記事を作成する予定。

この2つのアトモスで手下を見ることが出来ました。

 

アトモスショー「リクルーティング」は、総勢8人、約30分、1日1回開催。

出演者は、司会のミスターV、助手のミス・スキャター(この2人は固定)、手下10人の中から、男女3人ずつ合計6人がランダムで出演していました。このアトモスに出演したメンバーが、そのまま、セイリングディブッフェのグリーティングにも登場していたようです。

2018年の手下は、イベント期間中、1キャラを1人が通しで演じていました。といっても、10人のうち、1日6人が出演、残りは休みというローテーションだったので、「中の人」は、他のショーや外部の仕事との掛け持ちが可能でした。

 

アトモスは、手下が順番に自己紹介をしながら、得意の決めポーズをゲストに伝授。その後、リズムゲームのようなノリで、ゲストにポーズを決めさせ、最後にゲスト数人をヴィランズの仲間にリクルーティングするという流れでした。

とにかく、手下のファッションやメイクが奇抜でド派手。セリフがいちいち大仰な割に、結構グダグダな内容のアトモスでしたね。

セイリングディブッフェの方は、手下が客席を回りながら、ゲストにヴィランズの魅力を語り、ゲストと記念撮影をするといったもので、ミートミッキーの手下版といった感じです。

 

いずれも、開始当初は、手下のあまりの異質さに、思わず引くゲストがほとんどでした。それでも、「ダンヲタ」と呼ばれるショー、パレードのダンサー好きの方々の中に、手下の魅力にドはまりする人が次第に増えていきました。いわゆる「手下沼にはまるという現象です。

ほどなく、手下を演じる「中の人」が、パークの現役ダンサーや、演劇俳優、ネット配信ドラマの若手俳優であることが発覚。すると、そういった噂を聞きつけた演劇ファンが、中の人目当てでシーへ押し寄せるようになりました。それが「手下騒動」、「にわか騒動」。これらについては、別途記事を起こして、そちらで詳しく解説します。

ということで、9月中旬までは、まだ平穏なシーでしたが、9月の連休以降のシーは、ハロウィン期間中、ずっとひどい混乱状態が続きました。その惨状から、ディズニーファンの間では、2018年の秋は「地獄のハロウィーン」とも呼ばれています。

 

2016年は、ダブルキャスト制に! 新キャラも追加

 

2015年の手下登場から巻き起こった「手下ブーム」の勢いが収まらないままに、2016年のハロウィーン期間が到来。

シーでは、パークに隣接したホテル・ミラコスタから、新しいショーの早朝リハーサル(以下、朝リハ)を垣間見ることができます。

8月中旬頃から、ツイッターに2016年ハロウィンの朝リハの様子が次々とUPされるようになりました。

その中で特にざわついたのが、「キャラを演じている人が、去年と違う」、「見たことがないキャラがいる」この2点でした。演劇では、1つの役を2人の役者が演じるダブルキャスト制は一般的ですが、手下ファンは、キャラより「中の人」のファンという人が結構多いので、これは重大な問題でした。

 

そして、2016年9月9日、ハロウィンイベント初日。この日、手下ファンは、パークを右往左往する大騒ぎになりました。その理由は、

●手下のリクルーティングの開催場所が、プラザとアメリカンウォーターフロント(以下、アメフロ)の2か所に分散

●新キャラは、デザイナーのミス・ヴィータ(女性)と、コーディネイターのミスター・ポライト(男性、略してMP)の2人が追加。アトモスで、司会、進行役を担当する。

●アトモスは、司会、進行役2人+手下4人の6人制に。

●手下10人は、ジャックハートを除く9キャラが、1キャラを2人で演じるダブルキャスト制に変更。ジャックハートのみ、2015年の初代が引退し、2代目は1人で演じていたらしい(2017年も1人制、2018年はダブルキャスト)

●観賞場所は入れ替え制導入

と、アトモスの開催内容が2015年版とすっかり変わってしまったからです。

 

たとえば、お目当てのキャラがいるとしても、プラザとアメフロのどっちにでるのか? それも、初代? 2代目? ショーは1日3,4回開催で、どの回にどのキャラが出てくるのかも不明。これでは、どのショーにお目当てさんが出てくるのかといったヤマを張ることもできない。

ショーが始まるまで何もわからないなんて、まるで「手下ガチャ」状態ですよね。

つまり、それこそが、オリエンタルランドの思うツボなんです。2015年は、手下人気で来園者数が一気に伸びたけど、普段パークに来ないゲストが増たせいで、パーク内の秩序が乱れた。リピーターからの苦情も山ほど来て、対応に四苦八苦。今年は、そういった混乱は避けたい! という思いから生まれた苦肉の策が、手下のダブルキャスト制と、アトモスの分散だったのです。

アトモスの内容は、2015年のミニ版という感じで、リクルーティング、ファッションチェックがメインの構成でした。

 

<2020年6月10日 追記>

手下を演じていた「中の人」情報の補足です。

ジャックハートは、2015年は初代のみ、2017、1018年は2代目のみ、2018年は2代目、3代目のダブルキャストです。2代目、3代目は、お顔がかなり違うので、区別しやすいです。

また、ヴェールも、2015年は初代のみ、2017、2018年は2代目のみ、2018年は2代目、3代目のダブルキャストであることが判明しました。手下10人のうち、ヴェールは登場回数が少なめだったので、中の人チェンジに気づかない人が多かったようです。

 

 

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こちらが、女性の新キャラ、ミス・ヴィータ。どう見ても、世界的デザイナーのコ〇ノジュン〇さんがモデルですよね。なぜか、大阪のおばちゃんパワーをひしひしと感じるキャラ。

 

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そして男性の新キャラ、ミスター・ポライト(MP)。こちらも、お笑いコンビのオリ〇ンタルラ〇オのF森君にクリソツ‼ 個人的に眼鏡男子は大好きなので、とってもツボなキャラです。

 

それと、2016年は、セイリングディブッフェでの手下のグリーティングは廃止されました。

2015年のカオス状態から、2016年は安全な開催は無理と判断したのでしょう。当然です。2015年は、PSは速攻満席で予約が取れない、当日入店も数時間待ちはざらで、入店待ちの列が店の前にびっしり! 連日、こんな状態でしたからね。

 

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10月上旬の平日、朝9時に撮影。セイリングディブッフェの前には、手下会いたさに、当日入店を狙うゲストがたくさん並んでいました。ピーク時は、お店の前の広場がゲストでびっしり埋め尽くされるほど!

手下グリ開始は、11時30分から19時の間で5回開催。入店できても、グリの休止時間に当たってしまうと、手下には会えません。

 

 

2017年 アトモスからミニショーに昇格?

 

2017年から、アトモスは、再び、アメフロ広場だけの開催になりました。

場所は、アメフロの一角にある「ガゼボ」(屋根があるエリア)。このガゼボの屋根を垂れ幕で飾り立て、レッドカーペットを敷き詰めてステージを設置し、1時間に1回のハイペースで、ショーを開催したのです。こうなると、もはや、突発的に開催するアトモスではなく、立派なイベント限定ショーですよね。

鑑賞方法は、先着順にエリアに入場して場所取り。ショーが終われば、全員退場の完全入れ替え制でした。なので、熱心なファンは、ショーを見終わるとすぐに待ち列に並びなおして、ショーを何回もループで鑑賞していました。

 

ショーの構成は2種類。1回のショーは、15~20分。手下のメンバー、組み合わせはランダム。

●リクルーティング/ミスターV、ミススキャター、ヴィランズ男女1人ずつのの合計4人

●ファッションチェック/ミス・ヴィータ、ミスター・ポライト、ヴィランズの男女1人ずつの合計4人

 

このアトモスの影響で、アメフロの半分は、常にショー鑑賞のゲストで埋め尽くされ、公園の周囲には鑑賞希望者の長い待機列が出来ていて、手下に興味がない一般のゲストは、近寄りがたい状況でした。

2017年は、ハーバーショー「ザ・ヴィランズワールド」の演出にフライボードが追加され、ショーの見どころが増えました。そのフライボードのシーン見たさに、私はハーバーショーの方に釘付けだったので、手下の鑑賞はちょっとお留守。

このフライボードの演出追加が、まさかの展開につながるとは。この時は、そういったことは全く予測できませんでした。

 

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手下の中でも、特に人気が高い、エイトフットのジョー。タコのようなくねくねした動きに、けだるい口調が特徴。ジャケットと同じデザインの日傘が愛用品です。(画像は、2016年撮影)

 

 

2018年 まさかまさかの手下4年目⁉

 

2009年頃からのランド、シーのイベント期間限定のパレード、ハーバーショーは、3年ごとに内容が一新されるパターンが続いています。

「ザ・ヴィランズワールド」も2017年がショー開催3年目だったので、手下ファンの方々は、ショーも手下も今年が見納めと信じて、足繁くシーへ通われたようです。

 

ところが! オリエンタルランドの広報で発表された2018年のパークの年間スケジュールには、「シーのハロウィーンは、ハーバーで『ザ・ヴィランズワールド』を開催・・・」の一文が⁉

これには驚きました。同じショーを4年連続で開催? 来年も手下に会えるのはうれしいけど、これはどういうこと???

理由は、2018年は、ランド35周年の周年イベントが開催されるから。これまでも、ランドやシーの5年ごとの周年イベントが開催される年は、季節イベント限定ショー、パレードは、前年の作品を継続して上演するという「周年イベントルール」が実施されてきました。

「ザ・ヴィランズワールド」も、その「周年イベントルール」に従い、4年目開催となったのです。だから、3年目の2017年に、ショーの構成を変えてフライボードのパートを加えたのかぁ! マスターであるヴィランズが出演するハーバーショーが開催されることで、自動的に手下のアトモスも4年目開催が確定しました!

 

「周年イベントルール」は、ショー、パレード通の一部のファンの間では予想されていたとはいえ、ヴィランズの手下のアトモスは、ショー待ちするゲストの管理が面倒なので、パーク側としては継続したくないアトモスともいえます。また、手下を演じている「中の人」も、外部から呼んでいる役者さんですから、スケジュール調整も大変だったと思います。

 

2018年のアトモスの詳細はこちら。

●開催は、アメフロのガゼボの特設ステージ。鑑賞は先着順で場所取り。1回ごとの完全入れ替え制。

●1回の上演は約20分。出演は、ミスターV、ミス・スキャター(この2人は固定)、手下男女3人ずつ合計6人。Missヴィータ、MPは引退。

●1日4~最大6回上演。

ショーの規模的には、初年の2015年と同じに戻りましたね。

 

2018年の手下のアトモスは、周年イベントルールで生じた、いわば「おまけ的な開催」。なので、ショーの内容は2017年版と全く同じですが、ラスト開催だから、手下を2人増員したデラックス版になってます。

ちなみに、手下のマスターが出演しているハーバーショー「ザ・ヴィランズワールド」の構成も、基本は2017年版と同じでしたが、終盤に35周年を記念したパートが追加されています。

 

いかがでしたか。

シーは、開園からずっと、アトモスに力を注いできていましたが、その中において「ヴィランズの手下」は、最大のヒットキャラと言えます。

彼らがシーのハロウィーンに再び登場することはもうありませんが、ファンの心の中では、永遠に生き続けていくことでしょう。

 

 

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