皆さん、こんにちは。
2020年、今年の春節(旧正月)は1月25日でした。
お隣の中国、アジア圏の国々では、旧正月を盛大に祝う風習があり、春節の日から1週間~10日は国全体が春節休暇に入ります。
毎年、春節の頃には中国、アジア圏からの団体客が、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)に大挙訪れてパークが大混雑するのが常でした。
しかし今年は、春節の直前になって、中国・武漢市を感染源とする、「新型コロナウィルスによる、肺炎」(以下、新型肺炎と略す)という非常事態が発生!!
この状況を重く見たアメリカ本国のディズニーは、1月25日に、上海ディズニー、26日には、香港ディズニーの休園を発表しました。現在、営業再開の目途はまったく立っていません。
一方、TDRは、通常通り営業を続けています。
そこでこの記事では、新型肺炎とは何ぞや?から、新型肺炎がTDRやゲストに及ぼしている影響、今後の展開についてわかりやすく解説していきたいと思います。
新型コロナウィスルって、何??
最初に「ウィルス」といわれてすぐ思いつくのが、インフルエンザ・ウィルス。冬場になるとあちこちで猛威を振りますが、実際「ウィルス」ってどんな生き物なんでしょう?
ウィルスとは、生き物と無生物の中間の生き物で、自分だけでは生きていけないけど、生き物に寄生して、爆発的に増殖する性質を持った生物です。
寄生した生き物の栄養を横取りして増殖し、その過程で生き物の細胞を破壊して毒をまき散らすので、それが原因で寄生された生き物は体力を奪われて、最悪死んでしまいます。
毎年、冬場に流行するインフルエンザも「インフルエンザ菌」と呼ばれるウィルスが原因で引き起こされる病気です。
ウィルスは、自分だけでは増殖することができません。そこで接触や空気感染で生き物から生き物へと移り住み、仲間を増やしながら生き延びてるのです。
今回、問題になっている新型コロナウィルスは、従来のウィルスが突然変異してできたもので、肺炎を引き起こすタイプのウィルスとみられています。
例えば、同じインフルエンザでも、熱が出るタイプ、体の節々が痛くなるタイプと、ウィルスの型の違いで症状も違ってきます。それと同じですね。
この新型ウィルスを顕微鏡で見ると、表面に多数の突起があり、それが「太陽のコロナ」のように見えることから「新型コロナウィルス」と命名されました。今後、分析、研究が進めば、インフルエンザ菌のA型、B型みたいに、正式名称がつくのではと思います。
突然変異したウィルスに対しては、どんな薬が効くかが全く分からないので、一般的な風邪の対処療法しかできません。そのため、症状の進みが早いと重症化したり、死に至るケースも出てきます。
ただ、インフルエンザや普通の風邪でも、感染者の体力が落ちていると重症化するのはよくあることなので、一概に「新型だから危険!」とも言えません。まずは、風邪に負けない体力の維持と、体調管理が肝心です。
上海、香港が、早々に休園した理由
実は中国政府は、新型肺炎の感染拡大は、2019年12月頃から状況を把握していたそうです。ただ当面は「経過観察」ということで、特に対策は講じていませんでした。
年が明けて2020年1月11日に、この新型肺炎による初の死亡者が出たことから問題が表面化。
震源地とされる中国・武漢市が、1月23日から市内の公共交通機関の全面運休をしたことで「新型コロナウィルス」の存在が一気に世界中に知れ渡ることとなりました。
アメリカ本国のディズニーの対応は素早く、1月24日には上海、香港ディズニーの休園を発表。そして上海は25日から、香港は26日から再開日未定の休園期間に入りました。
休園の理由は、「ゲストと、キャストの健康を守るため。」
不特定多数のゲストが集まるディズニーパークを運営し続けることで、新型肺炎の患者が増大したら「ディズニーのせいで、病気が広がった。」「公共性を考えない、儲け主義」といった批判が巻き起こったに違いありません。
ディズニーは、どこよりも、企業イメージを大事にする会社ですから、いち早く休園することで、ブランドイメージを守ったわけです。
中国には、日本と同じように「干支(えと)」があります。
2020年は、12年に一度のネズミ年。上海、香港ディズニーでは「春節」に向けて、ミッキーマウスをメインにした大々的なイベントを予定していたそうです。
特に2016年に開園した上海ディズニーは、今年は開園以降初めてのネズミ年なので、かなり力を入れて準備していた模様。
そういった、春節をテーマにしたショーや、キャラの限定コス、限定グッズなどは、今回の新型肺炎の影響で、すべてお蔵入りとなってしまいました。何とももったいない~
でも、それらと、ゲストとキャストの命の安全は引き換えにはできません。
日本のランド、シーは、通常通り営業
一方、日本のオリエンタルランドが経営する東京ディズニーランド、東京ディズニーシーは、通常通り営業を続ける判断を下しました。詳細はHPにもUPされています。
その理由は、おそらく、
●情報がUPされた1月27日の時点で、日本国内における、新型肺炎の感染者が、1人しかいなかった。
●新型肺炎は、感染力が比較的弱く、病状が軽度。感染も、通常のインフルエンザ予防対策で、防御できると判断。
●1月27日、中国政府が、中国人の、海外への団体旅行禁止を発表した。
こういったことと推測します。
1月28日からは、予防対策としてキャストがマスク着用で業務を行っているそうです。
ただ、現地からの情報ではマスク着用のキャストは、全体の3割程度とか。
これは、
「どんな状況でも、最高の笑顔で、ゲストをお迎えしたい!」
という、キャストさんの信念とプライドの表れだと、私は思いました。
ディズニーランドでは、今日も元気なミニーちゃんが主役の、期間限定イベント、
「ベリーベリーミニー」を開催中。
今のところランドは、パークの各所が工事中、新型肺炎の影響で来園者が控えめな状況です。パレードの場所取りもしやすいとか。
それでも、限定ショー「イッツベリーミニー」は、当たれば奇跡!?というくらい当たらないそうです。さっすがミニー!!
敵を知り、己を知れ!
2020年2月6日現在、日本国内で確認された、新型肺炎の感染者は23人です。
ニュースでは、感染者の国籍は公表されていませんが、そのほとんどは、中国在住者か、直近で中国への渡航歴がある人ばかりであることが判明しています。
唯一、中国への渡航歴がない感染者が、奈良県在住のバス運転手さん。この方が運転するバスに、中国人観光客の団体が乗車していたので、当初はそれが感染の原因ではと思われていました。
その後、このバスに同乗していたバスガイドさんも肺炎を発症。検査の結果、新型肺炎であることが判明しました。
ただ、このバスガイドさんは中国人で、この乗務の前に中国へ渡航した経歴があります。前出のバス運転手さんは、中国の団体客からではなく、このバスガイドさんから感染したと思われます。
新型肺炎は、空気感染ではなく、接触感染です。ニュースなどでも、「濃密な接触」と表現されていますね。例えば、
感染者の手についたウィルスが、触った場所に付着
👇
そこを、後から触った人の手に付着
👇
その手で口元を触るなどして、口からウィルスが体内に侵入して感染
ウィルスは、こういった経路を経てで感染します。
手からの感染は「こまめな手洗い・アルコール消毒、・手を口元に近づけない」といった意識を持つことで、ほぼ100%防御できます。
他にも、感染者のくしゃみや咳の飛沫が付着して感染する「飛沫感染」。これは、感染者がマスクをすることで防げます。本来、マスクとは、菌を防御するのではなく、菌をまき散らさないための装具なんですよ。
もし、完璧にウィルスを防御しようと思ったら、顔半分を覆う立体型マスクや、医療関係者用のサージカルマスクでないと効果は期待できないそうです。ということで、100均やコンビニのマスク程度では、ウィルスは全然防げてません。
人にはウィルスなどに感染しても体が防御する「免疫機能」があり、ウィルスに感染しても発症しないことがあります。それが「健康保菌者」と呼ばれる人達です。
普段から体力があり、過去にインフルエンザなどに罹った履歴のある人は、インフルエンザが流行していても感染しにくいと言われています。
一方では、健康保菌者が、日常生活の中で「ウィルスの運び屋さん」になってしまい、感染が拡大するという問題点も指摘されています。ただ、これに関しては、本人に全く自覚症状がないのですから責任を問うのは酷ですよね。
こういった、ウィルス感染に対する基礎知識があれば、新型肺炎もやたらと恐れる必要はありません。
「敵を知り 己を知れば 百戦殆うからず」
何事も、むやみに恐れるのではなく、正しい知識を持って対処しましょう。
新型コロナウィルスが怖くて、ディズニーに行けない~~
1月下旬ころから、Yahoo知恵袋のテーマパークカテでは、
「来月、ディズニーに行くんだけど、新型コロナウィルスが怖いです。」
「新型肺炎の影響で、ディズニーは空いていますか?」
といった質問が急増しています。
いや~、回答者は預言者じゃないし、新型肺炎がこの先どうなるかなんて、誰にも予測できないですよね。この辺は、あくまでも自己責任の世界です。
この記事を執筆するにあたり、新型肺炎についていろいろ調べてみましたが、筆者個人の意見としては、今のTDRで、新型肺炎にかかる危険性はまずないと思ってます。
毎年、この時期の人が多く集まる場所は、いろんな病原菌がうじゃうじゃ飛んでいます。インフルエンザにかかった人全員がディズニーに出かけてるわけでもないですよね。
TDRに到着するまでに、交通機関や商業施設などですでにウィルスをもらっている可能性の方が、はるかに大きい。
なので「ディズニーに行ったら、新型肺炎が移る」という言い草は全く根拠がない!! 無知からくる短絡的な思考はやめてもらいたいと思います。
厚生労働省も、「新型肺炎は、インフルエンザの予防対策で防御できる。」と公言しています。前の項目でも、たとえ感染しても、体力、免疫力があれば、必ずしも発症するものではないと説明しています。
ということで、これからTDRへ出かける予定がある方々。予防対策と体調を整えて、予定通り、TDRへお出かけしましょう。
実際、そういった考えの方も多いようで、ここ数日のTDRは多少空いているものの、混むところは混んでいる感じです。
これは2月2日(日)の、ソアリンのスタンバイ、FP発券状況です。
開園10分でFPの乗車時間が17時以降、スタンバイが110分って、今までの日曜とほとんど変わらない混雑ぶりです。
2月2日は新型肺炎のニュースが連日報道され、人ごみに出ると感染するかも?という認識が浸透してきた時期です。これは、「新型肺炎が気になるけど、せっかく予定を立てたのだから」とTDRへお出かけされた方が多かったという証明ですね。
こちら、同日、同時刻のトイストーリーマニア!の状況。
この日は8時開園でしたが、FPの乗車時間はすでに11時50分まで進んでいます。今のシーでは、朝イチにソアリンのFP発券→トイストーリーマニア!にスタンバイが、トレンドです。
絶叫系メインのゲストは、ソアリンのFP発券→タワーやセンターにスタンバイがトレンド。
なので、朝イチからトイストーリーマニア!のスタンバイが180分超えってことは、絶叫系に乗れないお子さんがいる家族連れの入園が多いことを意味します。新型肺炎に怯えるより、家族でTDRを楽しんじゃおう!って感じですね。
いかがでしたか?
新型肺炎は確かに気になるけど、日本政府の水際対策が功を奏して、今のところ国内の大感染は回避されています。
TVや新聞などの信頼性の高いメディアから正しい情報を入手して対応していれば、新型肺炎は「やっつけられないヴィランズ」ではないことがご理解いただけたと思います。
では、この記事が、皆さんのお出かけの参考になれば幸いです。
<2020年2月28日追記>
本日、TDRを運営するオリエンタルランドは、新型肺炎の蔓延を考慮して、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを、2月29日~3月15日の間、休園すると発表しました。
再開は、3月16日を予定していますが、あくまでも暫定的な日程で、再開日は、今後の状況次第で、さらに延期される可能性があるとのことです。