皆さん、こんにちは。
現在、日本では、新型肺炎の蔓延を抑え込むため、5月31日まで不要不急の移動を禁止する非常事態宣言が敷かれています。それを受けて、東京ディズニーランド、シーも無期限休園中です。
全世界のディズニーパークが休園する中、先日5月11日に、上海ディズニーランドが営業を再開しました。中国では、4月初旬に新型肺炎蔓延のピークは越えたと判断し、4月中旬から徐々に経済活動を再開しています。上海ディズニーランドも、中国政府の方針を受けて、ようやく再開を決定しました。
この記事では、上海ディズニー再開を例にして、日本のディズニーパーク再開の時期や、再発を防ぐための対策について検証していきたいと思います。
2019年5月撮影。
去年の今頃のシーは、イースターイベントで花いっぱい!うさピヨいっぱい!でしたね。2020年の春は、こういった光景を見られないまま終わりそうです。( ;∀;)
上海ディズニー再開へ 3つのお約束
2020年5月11日。上海ディズニーランドが、約3か月半ぶりに営業を再開しました。
でも、100%完全な状態での再開ではありませんでした。主な変更点は、以下の3点です。
●入園は、事前の完全予約制。受け入れ可能人数の5分の1からスタート(およそ1万6千人)
●ゲストの入園時の検温実施。ゲストはマスク着用
●アトラクションやショー施設は、一部休業。キャラと接する写真撮影は禁止。営業時間も短縮
しばらくはこういった「アイドリング営業」で様子を見ながら、徐々にパークの完全復活を目指していくと思われます。ただ、新型コロナ以前の100%状態に戻れるのが、1か月後なのか、1年後なのかは、全く予想できません。
日本のランド、シーが営業を再開する場合も、この「上海モデル」をベースにすると思われます。
例えば、
●入園は、事前予約制。公式サイトのみで受け付け。コンビニでの日付指定チケットの販売はなし。オープン券、株主優待券は使用不可。1日1パークで2万人が上限? 年パスも事前申し込みが必要。
●上海と同じく、入園時の検温実施。マスク着用。
●営業時間は、10時開園~17時閉園。アトラクションは、基本、屋外型のみ営業。劇場タイプのショー施設は休止。
こんな感じになると予想します。
上海の場合、初日の事前予約の受付は、開始3分でSOLDアウトしたとか。おそらく、日本のディズニーパークの再開初日分の受付も瞬殺状態になるでしょう。
ランドで「3密」になりそうなアトラクション
今回の新型肺炎騒動で一気にメジャーになったキーワード「3密」。
これは、ウィルスに感染しやすい状況「密閉空間」「密集空間」「密接状態」の3つの密を合わせた造語です。
ウィルスは、主に接触感染、飛沫感染で感染が拡大しますが、上記のような3密空間だと、「クラスター感染」(小規模な集団感染)が発生しやすくて、感染者数が一気に増えます。
今回の新型肺炎のケースでは、全国のライブハウス、飲食店、病院といった3密空間で、クラスター感染が多発しました。
パークが再開するとしても、3密状態になりそうな施設の営業は、しばらく自粛すると思われます。ランド内の施設だと、
●シアタータイプのアトラクション
カントリーベアシアター、スティッチエンカウンター、ミッキーのフィルハーマジック、カントリーベアシアター、
●キャラクターグリーティング施設
ミートミッキー、ウッドチャック・グリーティングトレイル(ドナルド、デイジー)
●屋内のスタンバイルートが長いアトラクション
スプラッシュマウンテン、スペースマウンテン、モンスターズインク、ホーンテッドマンション
これらの施設が当てはまります。ランドの施設の8割は屋内型なんですが、ライドタイプで1台2~5人乗りのアトラクションは、3密にはなりにくいと思うので、ここでは除外しました。
シーで「3密」になりそうなアトラクション
シーは、1983年のランド開業から13年後の、2001年に開業しました。
「冒険とイマジネーションの海」をテーマに、各テーマポートの景観が干渉しないよう、屋内型中心で建てられているので、ランドより3密状態になりやすいアトラクションが多いです。なので、パークが再開しても、営業自粛するアトラクションが多そうな気がします。
●シアタータイプのアトラクション
ニモ&フレンズ・シーライダー、マジックランプシアター、マーメイドラグーンシアター、ビッグバンドビート、ソング・オブ・ミラージュ、
●キャラクターグリーティング施設
ダッフィーのグリーティングヴィレッジ、サルードス・アミーゴス、グリーティングトレイル
●屋内のスタンバイルートが長いアトラクション
タワー、センター、インディ、ソアリン、トイストーリーマニア!
●マーメイドラグーン施設全体
ありゃりゃ~、人気どころがほとんどアウトになってしまいますね。海底2万マイルも、ライドが密閉空間になるんですが、これは乗車人数を減らせば営業可能と判断します。
3密にならないアトラクションの運営方法は?
まずは、1日の総入園者数を減らすことですね。これは、入園を事前予約制にすることでコントロールできます。
次にアトラクションの3密を防ぐには、スタンバイをやめて、FP乗車のみにするのが有効でしょう。
シーでは、FP発券機を持たない「タートルトーク」が、2020年2月6日からFP対応アトラクションになっています。FPの発券は、基本スマホから。スマホをもっていないゲストは、現地のアトラクション入り口で、キャストに利用を申告して手書きのFPを発券してもらいます。
ランドの新エリアに開業予定の「ミニーのスタイルスタジオ」も、開業からしばらくはFP対応になる予定でした。(今回の休園騒ぎで、新エリアのオープン自体が無期限延期に)
ここも、もとはFP対応施設ではないので、FP発券機はありません。タートルトークと同様、スマホか、現地のキャストに申告して発券になる予定でした。
2018年4月に撮影した、ランドの「プーさんのハニハント」(略してハニハン)のFP発券所の一角。この年はランド35周年イベントが開催され、「イッツ・ア・スモールワールド」(略してスモワ)の全面リニューアルが大きな話題になりました。
そのため、一時期、スモワがFP対応になり、ハニハンのFP発券所を間借りして、FP発券を行っていました。左側は、固定のFP発券機、右側は、移動式のFP発券機で、スモワのFPを発券する時間帯だけバックヤードから運び出して稼働させていました。
今回、FP非対応のアトラクションには、この移動式FP発券機が導入されるかもしれませんね。たとえば、FP非対応でもスタンバイ時間が長めの、ピーターパン、ダンボ、ジャングルクルーズなど。
FPルートはゲストの流れが速いので、密集を避けることができます。
ショー、パレードはどうなるのかな?
まず、ランドの方は、新エリアオープンに関連して、今年の春、夏の期間限定イベントは開催なしと決まっていました。そのため、期間限定パレード、ショーも開催なし。
パレードはレギュラーの「ドリーミングアップ」(昼)、「エレクトリカルパレード」(夜)になりますが、もし17時閉園なら、開催はドリーミングアップだけ。
パレードルート沿いには、ゲストが間隔を空けて場所取りしやすいよう、目印をつけて対応。もともと入園者を2万人くらいに絞っているので、密集状態にはならないでしょう。
現在、レギュラーショーは「レッツ・パーティグラ」1本だけですが、これは多分休演するでしょう。
シーはパレードではなく、メディテレーニアンハーバーを使った水上ショーを開催しています。
現在、昼の水上ショーでレギュラーショーはなし。イベント限定ショーは、
●3月27日~6月12日まで「TIP-TOPイースター」
●7月1日~9月2日まで「パイレーツサマー/ゲットウェット」
この2つの開催が決定しています。シーのハーバーショーの鑑賞エリアは、ハーバー周辺にゲストが密集するので、3密になりやすいです。ミッキー広場、リドアイルの鑑賞エリアを抽選制にしても、ゲストの密集は避けられないので、パークが再開してもショーの上演は微妙です。
夏のお楽しみ、散水ショーの1シーン。リドアイルが水没しそうなくらいの放水で、コロナウィルスも吹き飛んでいくと思うのですが、ショー開催前は、これだけの数のゲストが密集してショー待ちするので、感染の可能性は避けられないかも…
専用シアターで上演している「ビッグバンドビート」、「ソング・オブ・ミラージュ」、「キングトリトンのコンサート」、「マジックランプシアター」は、当分休園でしょう。
入園者が2万人まで、営業時間が10時~17時の場合は、シーの奥地のロストリバーデルタ、アラビアンコースト、マーメイドラグーンは営業なしにするかも知れません。
ランド、シー 100%復活はいつになる?
ここまで書いてきたことは、あくまでもウィルス感染を防ぐ対処法で、解決法ではありません。
ここからは私の個人的な意見になりますが、日本のディズニーパークの100%復活は、新型コロナウィルスのワクチンが開発されるまで無理だと思っています。それまでは規模を縮小して営業を続けるしかないでしょう。
ウィルスは、人同士の接触、飛沫などで感染し、人が移動することで感染範囲が拡大します。
人が多く集まるイベント会場、人を集めるコンサートやライブ、飛沫感染の危険が高い飲食店、買い物客が密集するグッズショップなどなど。つまり、
ディズニーやUSJをはじめとしたテーマパークや遊園地は、「3密」を引き起こす施設の集合体の最たるものと言えるのです。
そういった施設が以前のように100%フル稼働するためには、そこに集まるゲストが感染しない、感染しても発病しないことが前提になります。つまり、新型コロナウィルスの抗体を持っている➡ワクチン接種が最も有効、ということになります。
現在、世界中の感染症研究機関で、新型コロナウィルスのワクチン開発が急ピッチで進められていますが、完成までに半年~1年はかかる模様。ワクチンが完成しても大量生産するには時間がかかるし、接種も有料になります。
現在、通常のインフルエンザのワクチン接種は、1回の接種の料金は3,000円前後。13歳までの子供は2回接種が必要です。
新型コロナウィルスに対応したワクチンが普及する頃にはTDRも100%営業になっていると思いますが、何をするにも、まず「ワクチン接種証明書」の提示が必要、という事態になるかもしれません。
ちょっとした近未来予想ではありますが、現実になる可能性は高いと思います。
では、この記事が少しでも皆さんのお出かけの参考になれば幸いです。
<2020年6月2日追記>
先日、5月31日(日)、本国アメリカのディズニー公式より、7月11日から段階的にパークの営業を再開することが発表されました。
再開は、フロリダのマジックキングダム、アニマルキングダムが7月11日から、エプコット、ハリウッドスタジオが7月15日からとなっています。
6月1日には、ユニバーサルスタジオ・ジャパン(USJ)の段階的な営業再開が発表されました。こちらは、6月8日より、まず大阪府在住の年間パスポート所有者限定で営業を再開し、6月19日から近畿2府4県在住者まで来園者を拡大する、というスケジュールになっています。