「ツイステッドワンダーランド」はディズニー作品か? バーチャル炎上の謎に迫る!

皆さん、こんにちは!

早速ですが、皆さんは「ツイステッドワンダーランド」(以下、ツイステ)ってご存じですか?

これは、アニメーションやゲーム制作の大手企業「アニプレックス」が、ディズニー映画の悪役「ヴィランズ」にヒントを得て制作した、スマホ向けのアドベンチャーゲームです。

ゲームの正式な配信開始日は、2020年3月18日ですが、作品の制作発表会は、2019年3月23日開催と1年も前におこなわれていました。

ゲームの配信開始まで、アニプレックスは、あらゆるメディアを駆使して、ツイステの広報活動を行ってきました。

私がツイステを始めて知ったのは、東京駅から京葉線に乗り継ぐ連絡通路に張り巡らされた広告でした。この広告版は「京葉ギャラリーセットボード(サインボード16面)」というそうですが、1か月の使用料金は、なんと約1,000万円とか。ひえ~~

 

ゲーム制作には、ヴィランズの版権を持つウォルト・ディズニー・ジャパンが全面的に協力していることもあり、まさに鳴り物入りでゲーム配信を開始したツイステ!

ところが、一部のディズニーファンのネットへの書き込みがきっかけで、なぜかツイステが炎上しているとの情報が⁉ ディズニーのヴィランズ(悪役)がテーマとはいえ、なぜ、スマホのゲームで炎上騒ぎが起こるのでしょうか?

ディズニーファンの一人として、これは、何がどうしてどうなったのかを調査し、真相を追求しなくては!

実は私、今まで、ディズニーだけでなく、ゲームや漫画、アニメ、同人誌からハードロック?まで、「ヲタ」が存在するありとあらゆる世界を渡り歩いてきました。その経験から得た多角的な視点で、ツイステ炎上の謎に鋭く切り込んでいきたいと思います。

 

 

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ツイステッドワンダーランドの立ち位置とは?

 

ツイステの世界観は、ディズニー映画に登場する悪役の総称「ヴィランズ」がベースになっています。

ゲームの舞台は、魔法使いや魔導士が普通に存在する、捻じれて(ツイステッド)不可思議な(ワンダー)異世界(ランド)。

魔法の鏡の力で異世界に飛ばされてしまった主人公(プレイヤー)は、さまよううちに魔法師養成学校「ナイトレイブンカレッジ」にたどり着きます。そして、温厚な学園長の保護を受け、学園に身を置きながら、元の世界に戻る方法を画策する。その学園は全寮制の男子校で、生徒はヴィランズの魂を持つ超個性的な男子ばかり・・・というのが、ゲームの基本設定。

 

ツイステの公式より引用。

キャラクターデザインは、「黒執事」で人気の枢やな氏。耽美で尖がった、一癖も二癖もある美形キャラが勢ぞろいしています。

 

この学園の生徒達は、ヴィランズにインスパイアされたとはいえ、孫や子といった血縁関係はなしの設定で描かれています。この辺が、ディズニーチャンネルのオリジナルドラマ「ディセンダント」とは全く違う点ですね。

また、ディズニーが全面協力というものの、許可しているのは、ヴィランズの設定までで、ヴィランズの姿は、銅像といった形でしか出てきません。ゲーム中の背景には、各所に「隠れミッキー」があるようですが、あくまでもお遊び程度。ここがミッキー・マウス&フレンズが実名で登場する、スクエアエニックスのTVゲーム「キングダムハーツ」とも、大きく異なる点です。

以上から、

 

ツイステのゲーム内容やキャラクターはアニプレックスのオリジナル作品。

よって、ツイステに登場するキャラクターは、ディズニーキャラではない。

 

この線引きは、今後のすべてにおいて、重要な意味を持ちます。

 

 

そして、ヴィランズの手下とは

 

ツイステの製作が発表され、ゲームの設定やキャラ画像が小出しに発表されるようになってから、ディズニーファンの間で、「ツイステのキャラは、ヴィランズの手下の後継者では?」という考えを持つ方が出てきました。

「ヴィランズの手下?」

ご存じない方は、まず、こちらをご覧ください。

 

「『ヴィランズの手下』 手下のことがよくわかるテキスト/基本編」

https://sskumatei.com/2330.html

 

「『ヴィランズの手下』よくわかるテキスト/アトモスフィア編」

https://sskumatei.com/2354.html

 

ヴィランズの手下とは、2015~2018年シーのハロウィン期間に開催されたハーバーショー「ザ・ヴィランズワールド」の主役のヴィランズ達が、自らの魅力をパークのゲストに伝えるために作り出したキャラクターのことです。

 

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手下のアトモスフィアの1シーン。

左から、司会のミスターV、ヴェール、アップルポイズン、助手のミス・スキャター。

 

ヴィランズの手下は、全部で10人。ヴィランズ一人に対して手下が1人仕えています。マスターであるヴィランズのテイストを生かして作りだされた手下達は、そのとんがったファッションやキャラクター性、シアトリカルな演技で、ショー、パレード好きのディズニーファンのハートを一気に鷲掴みしました。

 

ヴィランズの手下の人気はすさまじく、手下を演じる役者さん見たさに、2・5次元ファンや演劇ファンなど、普段ディズニーにやってこない客層までが多数パークに詰めかけるようになりました。

ディズニーには、パークを安全、快適に楽しむための「ローカルルール」があります。それらは、TDRのホームページに「パークからのお願い」という形で、事細かに書き出されています。

でも、そういう方々はルールなんてお構いなし。お目当ての手下を追いかけることに夢中で自分勝手に振る舞うので、ディズニーのリピーターから相当嫌われていました。ネットなどで時々見かける「俄か(にわか)」という呼び方には、そういった手下しか興味がない傍若無人なゲストへの侮蔑の意味が込められているのです。

当時、手下の俄かファンのせいで、不快な思いをした方々にとって、ツイステの登場は、またあの手下騒動が起きるのではないかと、不安で不安で仕方がない。例えるなら、自分の家の庭や花壇を、近所の子供たちが大勢で踏み荒らすといった状況ですね。

そういった思いが「ツイステファンは、パークに痛バを持ち込むな!」、「パークでツイステのコスプレをするな!」という過激な書き込みに出てしまい、炎上騒動に発展したということです。

でも、実際は、どこも燃えていないし、実際に被害を受けたツイステファンもいません。

なぜなら、ツイステの配信開始は、2020年3月18日から。パークがコロナウィルス騒動で臨時休園したのが、2020年2月29日。

そう、ツイステファンは、誰一人として、痛バやコスプレ姿で、ランド、シーに入園できていないのです!

 

なので、パークでディズニーファンとツイステファンがニアミスしてバチバチ! とかいう緊急事態も、実際には発生していません。だって、パークがずっと休園しているんだもの。

これって、まさにバーチャル炎上ですよね。起きてもいない事件を妄想で作り上げて騒ぐなんて、「ネット版オオカミ少年騒動」?

ディズニーファン、ツイステファンどちらにしても、何ともはた迷惑な話ですよね。

 

 

ツイステのコスプレは、是か非か?

 

最近、Yahoo知恵袋でも増えてきた、ツイステ関連の質問。質問の内容は様々ですが、大体下の3点に要約されます。

 

①「ツイステのグッズを持ってパークに入れますか?」

②「ツイステの痛バを持ってパークに行ったら、ディズニーファンにいじめられますか?」

③「ハロウィーン期間に、ツイステのキャラのコスプレをして入園できますか?」

 

とりあえず、現時点で回答すると、こうなります。

①持ち込みは可能

②状況次第

③不可

 

では、順番に、その理由を解説していきましょう。

①TDRでは、ディズニー以外のキャラグッズの持ち込みは禁止していません。実際、サンリオやUSJ、その他のキャラグッズを持ち込む方は結構多いですが、それに対して苦情を言うゲストも、まずいません。

ツイステも、ディズニー以外のキャラの括りなので、常識的な範囲なら大丈夫です。

 

②痛バとは、お気に入りのキャラのバッジ、シール、ぬいぐるみなどでデコったトートバッグなどを指します。ディズニーファンの中にも、お気に入りのキャラのぬいぐるみバッジをたくさんつけたリュックやバッグを持ち込む方は多いので、パークに装飾が多い鞄を持ち込むこと自体は、禁止ではありません。

ただ、「ヴィランズの手下」騒動や「俄か」に対してよくない感情を持っているゲストからすれば、ツイステファンは「平穏なパークを乱す異端者」に見えるので、トラブルが起こる危険性はあります。

ディズニーパークは、あくまでも娯楽を楽しむ場所で、自己主張をする場ではないことを認識してください。

 

③ディズニーハロウィーンの仮装とは、「ディズニー作品に登場するキャラの具現化」を指します。わかりやすく言えば、映画の1シーンの再現ですね。そこが、「コスプレ」とは大きく違う点です。なので、アレンジしすぎた仮装は、嫌われる傾向にあります。

仮装してもよいディズニー作品とは何か?については、毎年、TDRのホームページに仮装OKのリストがUPされるので、そこをチェックするのが一番確実です。

仮装OKの大まかな目安は、こちら。

●「ディズニー映画」全般(アニメ、実写)、ディズニーチャンネルで放送している作品「ディセンダント」、「ソフィア」、「グラビティフォールズ」など。

●パークにアトラクションがある作品の登場人物。「インディ・ジョーンズ」、「スターウォーズ」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」など。

●パークで上演された、ショー、パレードのダンサーのコス。アトモスフィアのコス。ヴィランズの手下は、この括りに入ります。

●例外的に、TVゲームの「キングダムハーツ」のリク、ソラ、カイリ、この作品に登場するディズニーキャラのコス。2015年から正式にOKになった。

 

以上から、ツイステは、仮装OKの目安のどれにも当てはまりません。

現時点で、ディズニーハロウィーンの仮装ルール2020はまだ発表されていませんが、その仮装OKのリストに、ツイステが含まれない限り、ディズニーでツイステの仮装は出来ません。

 

いかがでしたか?

ネット上でこんな大きな話題になるということは、それだけ、ツイステのキャラが立っていて、注目度が高いということの証明です。

ツイステは、ディズニーのヴィランズをテーマにしていますが、ミッキー、ミニーが大好きなディズニーファンのすべてがヴィランズも好き、ゲームも好きとは限りません。一口にディズニーファンと言っても、キャラ好き、ショー好き、パークそのものが好きという風に、好きなジャンルごとが異世界なんじゃないかと言うくらい、ファンの接点がほとんどないのが現実です。

でも、それが「ディズニー」の魅力なんです。今こそ、それぞれが違いを認め、お互いの好きな世界に対して理解する心の広さが求められていると思います。

 

 

<2020年8月13日 追記>

オリエンタルランドは、2020年度下半期は、予定していた期間限定イベントをすべて中止すると発表しました。そのため、2020年秋のTDRでは、ハロウィーンイベントは開催されません。

とりあえず、DヲタVSツイステファンの仮装をめぐるバチバチは、今年は回避された形です。

 

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