みなさん、こんにちは!
今年も早や6月、もうすぐ「夏休み」がやってきますね。
ディズニーでは、コロナ禍の規制が解除された2023年5月8日以降、パーク内のの制約が次々と解除されて、休園前のような状況に戻りつつあります。
ランド40周年限定パレードにはダンサーさん達が復活し、夏イベント期間に「水まきイベント」が戻ってくるなど。
そして2023年6月7日、オリエンタルランド(以下、オ社と略す)は、「東京ディズニーリゾート40周年記念プライオリティパス」という新しいサービスを発表しました。
この情報はネットニュースなどで一気に拡散し、ツイッターではトレンドにも取り上げられています。
今回は、この「プライオリティパス」について深堀した記事を急遽書き上げました。実は今回、ディズニー好きさん達が大騒ぎしているのは、このプライオリティパスではなく「ファストパス制度」の終了の方なんですよ。
自称「パークの回りスト」ragiにとって、ファストパス制度はパークを楽しむ「魔法の杖」的存在でした。この記事では、プライオリティパスの基本情報の他に、ファストパス制度終了の核心にも迫っていきたいと思います。
ランド、シーの人気アトラクションに導入されていた「ファストパス制度」
このチケットがあれば、たとえスタンバイ100分状態でも、サクッとアトラクションを利用することが出来ました。
プライオリティパスってどんなパスなの?
6月現在、プライオリティパスについては、公式のペーパー1枚しか出ていない状態です。
こちらが6月7日、オリエンタルランドの公式サイトにUPされたペーパーです。
<ペーパーの上半分>
このペーパーから読み取れる情報の要約です。
- ランド40周年を記念して「プライオリティパス」を導入
- 一部のアトラクションを短い待ち時間で利用出来る「無償のパス」(有料のディズニープレミアアクセスとは別物)
- パスの取得は入園後から。アトラクションは専用レーンを通って乗り場に向かう
- 今夏から期間限定で導入予定、開始日はまだ未定
このペーパーを読む限り、ファストパスやスタンバイパスとどこが違うの???って感じですね。
<ペーパーの下半分>
ランド、シーでプライオリティパスが利用出来るアトラクションの一覧です。
大体、休園前のファストパス(以下、FPと略す)対象アトラクションにプライオリティパスが導入されるようですね。
ランドのスターツアーズ、ホーンテッドマンションは、休園前は土日祝の混雑日でもFPを出さなかったのに、今回は対象に入っているのが、ちょっと不思議。
シーのアクアトピアは、本来FP非対応のアトラクションですが、夏イベント期間の「びしょ濡れバージョン」は人気が高くて混むので、プライオリティパスの対象に入っています。そのため、アクアトピアにはいわゆる「FPレーン」がないのですが、どうやって通常のゲストとプライオリティパスのゲストを仕分けするんだろう?
しかもアクアトピアには「山側」「海側」の2つのコースがあるんですよ。アクアトピアの入り口はそれほど広くないので、通常スタンバイとプライオリティパス、山側、海側と4通りのゲストを仕分けしなければならないので、キャストさんは大変ですね。
「マジックランプシアター」のFPも、休園前はめったに出さないことで有名でした。Dヲタさんの間では、「マジックランプのFPが出てる? 今日は激込み~」みたいな、混雑具合を計る物差し代わりになってました。マジックランプシアターは1回の上演に320人入れるので、これのFPは「次の上演に優先的にご案内」という入場券のような性質のものでした。今回のプライオリティパスでもそういった使い方になると思われます。
現在、ディズニープレミアアクセス(略してDPA)対象の以下のアトラクションは、プライオリティパスの対象には含まれません。
ランド/DPAの値段(1枚) | シー/DPAの値段(1枚) |
美女と野獣まほうのものがたり/2000円 ベイマックスのハッピーライド/1500円 スプラッシュマウンテン/1500円 |
ソアリン~ファンタスティックフライト/2000円 トイストーリーマニア!/2000円 タワー・オブ・テラー/1500円 センター・オブ・ジ・アース/1500円 |
プライオリティパスの実体とは?
プライオリティパスの使い方た発券の条件などについては、まだ公式から発表がないので、ディズニー系のブログやネットメディアでも、まだ詳細は不明です。この辺は、公式の発表が出てから、追って追記する予定です。
公式の発表を見る限り、パスの性質は有料のDPAと同じようで、アトラクションも専用レーンを利用となっています。でも、プライオリティパスとDPAのゲストが同時に並んだら、DPAのゲストを先に通すでしょうね。お金を払ったゲストの方が優先順位は上のはずですから。バケパのアトラクション利用券のゲストはDPAと同じ立場になります。
ということは、
DPA、バケパ>プライオリティパス>通常のスタンバイ
という順位付けが成り立ちます。プライオリティパスが導入されたら、今まで以上にスタンバイ列が進みにくくなりそうですね。
<2023年6月14日 追記>
先日、公式に「プライオリティパス」のサイトが立ちあがりました。
https://www.tokyodisneyresort.jp/treasure/tdr40th/prioritypass.html
ただ、詳しい内容については、まだUPされていません。
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<2023年7月25日追記>
昨日7月24日、ディズニー公式は、プライオリティパス制度を7月26日から開始すると発表しました。
<プライオリティパス公式サイト>
https://www.tokyodisneyresort.jp/tdl/guide/prioritypass.html
プライオリティパスと終了したファストパス制度の一番大きな違いは、「2枚目を取得する場合は、1枚目の取得から120分後、または手持ちのプライオリティパスの利用時間のどちらか早い方の時間が過ぎてから」という点です。ファストパス制度は、次が取得できるのは最短30分~最長2時間でした。
この「2時間縛り」のせいで、プライオリティパスをガンガン発券は、ほぼ無理な感じですね。
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今回発表された情報もペラペラのペーパー1枚だけなんですが、その中に実は重要な情報が含まれているんですよ。
先に上げたペーパーの下半分を、もう一度よく見てみましょう。
<ペーパーの下半分>
一覧の下にある、※部分に注目です。
●まず、「導入は今夏を予定」「ご利用方法はオフィシャルウェブサイトを…」ということで、夏イベント開催までに詳細が公表される可能性が高いです。夏イベント前までは公式をこまめにチェックしましょう。ディズニー系の最新の情報は、ツイッターが比較的早くUPされます。
●「パークの運営状況によっては当日ご利用できない場合がございます。」
運営状況とは、パークが混んでいる、対象アトラクションがシステム調整で休止する、という意味です。入園者が多い日は、プライオリティパスが早々に発券終了します、ということです。これはFP制度でもよくありました。
対象アトラクションが休止したら、プライオリティパスも発券停止する、これもFP制度と同じです。
●「アクアトピアについて…」は、先に上げた通り。びしょ濡れバージョン期間が終了したら、プライオリティパス非対象のアトラクションになります。
●「休止しているディズニーファストパスは、サービスを終了します」
今回、Dヲタさん達を驚愕させたのは、プライオリティパス導入ではなく、この一文でした。
パークがコロナ禍から再開した2020年7月以降、FP制度はずっと休止したままでした。そのため、パーク再開から現在までの3年間は、パークのアトラクションは、ただ並ぶだけから、スタンバイパス導入(当初は抽選制度だった)➡スタンバイパスの発券が先着順に➡コロナ禍の規制緩和でスタンバイパスが発券停止に、と、利用の仕方がコロコロ変わっているのです。
それと、パークが再開した「2020年7月」は、実はとても大きな意味を持っているので、覚えておいてくださいね。
コロナ禍の期間、休園前のディズニーパークを知っている来園者の多くは、「FP制度が再開すれば、もっと楽にアトラクションに乗れるのに…」「FP制度は、いつ再開するの?」とずっと気を揉んでいました。
それがある日突然、「新しくプライオリティパスという制度が始まりま~す! 休園前のFP制度はもうなし、こめんなさいね~💛」みたいな軽いノリでFP制度の終了を告げられたのですから、たまったもんじゃないですよね。
そのためプライオリティパスの情報がUPされた6月7日のツイッターや各メディアは、「プライオリティパス」より、「ディズニー ファストパス制度終了へ!?」の方を大々的に拡散していました。それほど、ディズニーのFP制度は皆さんに認知され、利用されてきた制度だったのです。
いずれにしろ、この「プライオリティパス」が、「FP制度」に変わるパークの新しいルールになることは決定です。
あの慣れ親しんだ「FP制度」は、もう戻ってきません。
FP制度の基本は「一定の時間を経過したら、次のFPが発券出来る」これだけです。
同じアトラクションのFPは、「手持ちの利用時間が過ぎてから」という縛りがありますが、効率よく発券すると同じアトラクションでも3枚同時持ちが可能でした。
画像は1枚のパスポートで発券したセンターのFPの3枚同時持ちです。
あれ、上と同じ画像? いいえ、日付が違いますよね。翌日も同じ回り方で取ったセンターのFP3枚同時持ちです。日を変えても同じことが実践できる=FPに対する理論が正しいということです。
ファストパス制度、実は特許を取っている!?
特許とは、あの「東京特許許可局」に申請して認められた発明や技術だけに与えられる称号のことです。
ディズニーパークにFP制度が導入されたのは、2000年7月1日、対象は「ビッグサンダーマウンテン」でした。その後、プーさんのハニハント、スプラッシュマウンテンなど、人気アトラクションの混雑緩和のために次々と導入されていきました。
2001年9月に開園した「東京ディズニーシー」では、開園時から営業していた「センター・オブ・ジ・アース」「インディ・ジョーンズ」に導入されています。
ディズニーのFP制度は、その完成されたシステム自体が特許を取得しているのです。
その特許制度、実は認定期間に期限があるんですよ。有効期間は、特許が認可された日から20年間です。
ディズニーのFP制度が認定されたのは2000年7月。そして有効期限は2020年7月。そう、ディズニーパークがコロナ禍から再開した月なんです。つまり、パークが再開した時点で、オ社はすでにFPの特許権を喪失していたのです。
ただ、特許権が切れたとしても、特許そのものは申請者が継続して使用できます。そして認定が切れた後の特許は、以降、誰でも無料で自由に使用することができます。
世の中には、生活用品などのアイディアを特許申請し、そのアイディアを企業などに商品化してもらって収益を得ている「発明家」がたくさんおられます。
ディズニーのFP制度も、そういった発明になるのですが、この「特許」を使用する場って、意外とないんですよね。西のテーマパークの雄・USJのエクスプレスパスは全く別のシステムだし、他にディズニー並みに混雑する「テーマパーク」って、実はないのが現状です。
それと、特許の申請は、1件につき約100万円必要で、以降、期限が切れるまで毎年「権利維持費」もかかります。これは年間20万円前後。特許を利用してもらって収益を出している人は特許権を維持できますが、誰も使ってくれない特許は、持っていても維持費がかかるだけなのです。
ディズニーを経営しているオ社的には、年間20万円の特許維持費自体はは大した出費ではないですが、ランド、シーに200基以上あるFP発券機の維持管理にかかる人件費、FP発券機のロール紙などの消耗品関連の経費は、大きな負担だったと思われます。
今、思い返せば、このFPの特許期限切れと、コロナ禍による入園者数激減、それによる大幅な収入減が、FP制度を3年も休止させた原因だったのではないでしょうか。
オ社はコロナ前の2019年7月23日から「スマホでFP制度」を導入していますが、これもチケットの電子化の推進と、FP関連の経費節減が目的だったと思われます。
当時、スマホを持っていないゲストは、現地のFP発券機でFPの代替品の「FPリマインダー」という用紙を発券していました。これが白地に文字を印字しただけの味気ない紙きれで、Dヲタさんの間では相当評判が悪かったです。
これがFPリマインダーの現物。今までのFPと比べたら、「何ですか、これ?」ってくらいの素気なさですね。
パークがコロナ禍で休園したのが2020年2月29日からなので、この「スマホでFP制度」は、実質半年ほどしか稼働していません。なので、この制度を体験した人は意外に少ないんですよね。
ディズニー側は、2016年頃からチケットの電子化(eチケ)を奨励していましたが、キャラのイラスト付きの紙チケの人気が高くて、切り替えがなかなか進みませんでした。
それが2020年のコロナ禍をきっかけに、一気にeチケへの切り替えに成功。オ社はさらに長年の懸案だった「チケットの価格変動制」までも導入したのです。オ社的にはまさに「災い転じて福となす」、大幅減収は痛かったけど、チケット改革面ではコロナ禍は絶好ののチャンス到来だったと言えるでしょう。
パークは今でも入園者数を制限して営業を行っています。1日の入園者数の上限は、平日で45,000人、土日祝で5万人と推測されます。
入園者数に上限を設けることで、パーク内のアトラクションの待ち時間は、休園前より明らかに短くなっています。そのため、休園前のようにどこもかしこも長蛇の列!という状況が起きにくくなっています。
元々FP制度は、アトラクションに長い待機列を作らせない目的で考案されました。待ち時間が短い状態が維持できるなら、FPの出番はないですよね。従来のFP制度は、2023年のパークにはもう合わなくなっていたのかもしれません。
FP制度の特許は既に切れたし、チケットを全て日付指定にすることで、予想外の混雑も起きにくくなった。ディズニーパークは永遠に完成しない場所だ。ならば、FP制度も今のパークの状況に合わせてブラッシュアップするべきではないか?
そういった諸々の事情が重なって、今回の「プライオリティパス」導入につながったのではと思います。